で、富士通はこんな気概w

 国内UMPC開発者インタビューということで、富士通開発者のお話が掲載されています。

国内ネットブック/UMPC開発者インタビュー【富士通編】mm/mW/g単位での追求を積み重ねたLOOX U(PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1125/netbook09.htm

 もっとも気になる記事はこのあたりでしょうか。


Q IntelLOOX Uが発売された後に、Centrino Atomでメモリ2GBをサポートしましたが、この製品でメモリ2GBモデルの予定はないのでしょうか。

小中氏 今のところ予定はありません。2GBにしてしまうと、大きさや価格のバランスが崩れてしまうからです。

小林氏 ちなみに、チップセットが変わったこともあって、LOOX UのOS起動時間は初代よりも1分くらい早くなっています。

Q IntelからWindows XPチップセットドライバが近く出されるという話ですが、LOOX UのXPモデルの予定はあるのでしょうか。

小中氏 ニーズが多いのは承知していますが、現時点でコメントできることはありません。

Q Windows XP用のドライバを将来富士通のサイトで公開する可能性はどうでしょう。

小中氏 それができる環境が整えば、前向きに検討したいと思います。

Q ネットブックが広く普及してきたことで、この製品に影響は出ましたか。

小中氏 モバイルPCという括りでの選択肢が増えたということで、このジャンルの裾野が広がりました。我々はこれをチャンスだと捉えています。

飯島氏 ネットブックの不満点を解消するのがこの製品なので、ネットブックの興隆はLOOX Uにプラスに作用すると考えています。

Q 今後の富士通UMPCの方向性について教えてください。

小中氏 今後も通信技術に力を入れていきたいと思っています。この点で他社に負けることはあり得ないと考えています。また、バッテリ駆動時間でも勝ちたいですね。

栗林氏 LOOX Uの2代目では、初代のフィードバックから使い勝手を改善しました。この次はというと、外で使うPCという点は変えずに、アプローチを変えて、今の製品のブラッシュアップではなく、何か新しいものをやりたいと考えています。

 とりあえず現行モデルでのメモリ2GB化はありえないということ、XP用ドライバは出さないとは言わないもののいまだに渋っていること、現在のネットブック市場はLOOX Uにとって有利になると判断していること、今後も特に通信技術とバッテリ駆動時間は他社には負けないぞということ、ですかね。
 メモリ2GB化はLOOX U自体の綿密に設計された基板構造上すでに不可能な域に達しているのは、以前から知られていたかと思いますので仕方が無いとして、XP化はハードウェア的にも規格的にもできる環境があるわけですから、これをやらないということになれば本当に日本富士通はユーザーの声に耳を傾けないメーカーと言わざるを得ないかもしれません。ネットブックの興隆がLOOX Uにプラスに働くというのはある面ではそうかもしれませんが、ネットブックが低価格とそれに見合う機能がうまくバランスを取っているのに対して、真っ向から反対の立場を取っているかのような高額で手間をかけすぎる造りのLOOX Uが、果たしてネットブックの不満をクリアした先に立っているのか、チト疑問ではあります。通信技術に力を入れるといっても、何を指しているのか分かりません、Bluetoothなんて前モデルではアスコラでもなければ徹底的に排除してきた経緯もありましたし、Wi-Fiもいまやたいていのメーカーが11nドラフトを導入していますから、さほど先進性があるとも思えません。あるいはWWANを視野に入れての発言かもしれませんが、ハード的にはロックをかけてキャリアをドコモに限定していますし、せめてイーモバイルのSIMなども挿せなければユーザー視点での勝ちとはいえないかなと思います。バッテリも?て感じではあります。
 とまあ軽くくさしてしまいましたが、インタビュー時期が少し古いかもしれないとしても、工人舎などが実際にXP対応をしている昨今、いつまでも大手企業然とした慎重さや保守さといったものをもう少し取っ払ってもいいんじゃないかなと思います。特にネットブックUMPCという分野は、大手企業が凝ったPCを導入してきた隙間にちょっとしたアイデアと積極性を持って挑んできている所もあると思いますし、ハードウェアの技術力だけでなく、そうした点ももっと取り込んでいく必要があるのではないかと感じます。
 幸いにして次期モデルを匂わせる発言もあります、正当進化はあまり期待できない雰囲気もないではないですが期待したい所です。さらに加えて、せっかく今あるLOOX Uだって素晴らしいマシンですので、売ってしまえばそれで終わりということではなく、また新しいチャレンジばかりに目を向けるのでもなく、今あるモデルをじっくり大事に育てて、ユーザーと共に更によいマシンに仕立て上げて行く事も忘れないでほしい、とも願っています。