慙愧にたえない?

 こちらも訃報です。

相は松岡農相死亡に任命責任表明、臨時代理に若林環境相
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-26162820070528

 政治のことはあまり分かっていないのですが、死を選ばなければならないとか死んで責任と果たすとか、そんな選択しかできないというのは残念でなりませんが、当事者にとってはそれほど追い込まれてしまって選ぶことさえ思いもつかなくなってしまうのでしょうか。ただ悔やまれるばかりです。ここで私が気になったのは安倍首相の「慙愧(ざんき)にたえない」という発言。普通「慙愧」というのは恥じ入る気持ちが含まれる言葉ですので、この場合安倍首相はたえられないほど恥ずかしいと思っていることになります。それが農林相の行為を指して恥じているのか、それとも彼を選任した自分自身を恥じているのか、という方向に私などは思ってしまいます。前者であれば死者に対して失礼極まりない発言ですし、後者であればやはり選任を誤ったということになり政治家としては不適当な発言ということになるでしょう。いずれにしてもこのような場で「慙愧にたえない」という事それ自体が適当ではありません。さらには首相がそうした言い回しをしている事に違和感を感じていないのか、発言内容をそのまま文字化するだけでニュースを伝えているマスコミは、「慙愧」という言葉をどのように捉えているのでしょうか?日常なかなか使わない言葉ですので注釈を加えて然るべき語彙であると思いますけどね。これが美しい国を理想とする方の発言かと思うと、また普段聞かないような言葉に対して振り仮名を振るだけで済ませてしまい、本当に意味を理解して報道しているのかよく分からないようなマスコミに、慙愧に堪えない思いです(笑)