小学館中日・日中第2版入り電子辞書「XD-GW7350」

 昨日エントリし損ねていたのですが、いよいよ来たかという感じで、待望の小学館『中日辞典』第2版『日中辞典』第2版を収録した電子辞書が、カシオより発売されることになりました。

カシオが電子辞書ラインナップを一新、一挙に13機種投入
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/32824.html

「XD-GW7350」(画像はこちらより拝借)

 書籍版の第2版が発売されて以来長年に渡って期待されていたのですが、ようやく電子化されることになりましたね。「XD-SW7300」と「XD-GW7350」がそれです。新しい版になれば全てよし、とは思わないと言うのはいつも言っているのですが、前進であることは評価できると思います。惜しむらくは今回もネイティブ発音による熟語音数が少ないこと。『中日辞典』は収録語彙数が親字約13,500字/熟語約100,000語に対して、収録音数が親字約13,500字/熟語約7,200語と、発音してくれる熟語は1割にも満たっていません。親字の発音はだれでも比較的容易に習得できますが、声調変化を伴う熟語は、可能な限り発音例を用意してくれていなければ独学で習得するのは難しく、非常に不便です。かえって英単語は約85,000語のネイティブ発音を用意しているのですから、中国語を中心としたモデルとしては明らかに力の入れ所を間違えています。第2版の語彙を収録しているのなら、音声の方もそれに合わせて最大限収録して欲しかったですね。
 とはいえ「XD-GW7300」と「XD-GW7350」、特に「XD-GW7350」の方は、現在ハンディな中日辞典としてはもっとも大部な『中日大辞典』(こちらは発音一切無し)も収録されており、また両機種ともキヤノンの専売特許であった手書き入力機能に相当する「手書きパネル」を取り入れ、簡体字の手書き検索もでき直感的に辞書機能を活用することができます。PC経由やSDカードによる辞書コンテンツの拡充にも対応しており、かなりいい感じに仕上がっていると思います。その分価格もかなり高級ですが、今後の有力機種になることは間違いないでしょうね。
 さらに今後の他社の反応も気になります。小学館の第2版がなかなか出ないことで講談社の辞典に乗り換えしたキヤノンが、再び小学館の辞典を採用する可能性もあるでしょう。あるいはシャープやセイコー小学館の第2版を収録して、新製品を投入してくることも考えられます。特に後者2社は『中日大辞典』も収録して、販売競争に参加して欲しいものです。