トライアングル最終回

 最近撮りだめばかりしている中で数少ないオンタイムで観ていたドラマでした。ネタバレは極力書きませんが、感想としてはかなりよい出来だったと思います。
 原作は読んでいませんが犯人は違う(というか原作もあらすじはだいたい知ってるので、実質犯人とも言い難いようですが)ということでしたが、、犯人はある程度まで話が進んだところでだいたい分かりましたね。でもラストのやりとりの中で私が気づいてなかった伏線もあったりして、なかなか伏線の張り方はいい感じだったと思いますね、確認するためにまた1話から見直してみたくなりました。
 ちょっと物足りなかったのは、最後に告発された議員と進藤とのつながりが今ひとつよく分からなかったことと、山荘の火事の話があまり掘り下げられなかった所でしょうか。前者が25年前からの一連の捜査を大きく狂わせてしまったのは分かりますが、もっと明確な形でドラマに絡ませて郷田達の障害になっていれば、面白さも一層だったように思いますし、黒木の父親にとっての25年前の事件以来の苦悩をさらに深く見つめるキーポイントになっていたのではないかと思います。また後者は郷田にとっては重すぎる事件であったはずですが、郷田が25年前からの事件とリンクしていることに気づくのは最終話で黒木に教えられてようやく、というところです。あの場面で気づかされることで犯人への憎しみが一気にふくらみ、犯人に銃を向ける場面でよりハラハラすることになったと思いますので、演出としてはそれもありだと思いますが、一方で郷田にとって彼の兄は25年前の事件で時効の事を教えてくれ、また時効成立まで兄の身代わりに医者を続けるほど、郷田の兄の存在は大きかったはずです。郷田と兄との関係をもっとクローズアップした形にしてもよかったのではないかと思いますね。
 サチには生きていて欲しかったですが、そうならなかったのもある意味納得できます。郷田と惹かれあっていたとはいえ、おそらく25年前の事件はかれらのこれからの人生に深く傷を残したままでしょうから、2人がともに生きていくという選択を取る事はできなかったのではないかと思います。仮にサチが生きていたとしても、郷田にとってはサチエを写す存在でしょうから、事件が解決してもサチエを引きずったままサチをサチとして愛せたかどうかは疑問です。またサチもなだらかな人生を送って来たわけではなく、実の兄をも失っています。そんな事件を経て郷田と手を取り合って過ごしていくことも難しいのではないかとも思います。2人はこれから1から自分の人生をやり直していこう、やり直さなければならない、それは過去との決別でもあるわけで、お互いが過去の面影を残す存在同士だからこそ、理解し合えているとしてもあえて手放してそれぞれの道を歩む事になったのではないかと想像しています。生きて別れるか、死に別れるか、どちらかでしかなかったのだろうというのが私の感想です。サチが死んだということは、サチにとってはある意味不幸だったかもしれませんが、生きている郷田にとっては過去の清算というけじめの意味になっているのかもしれません。このラストはありだとは思います、思いますが、一方ではこれから2人で生きていく結末もありだったですよね。ハッピーエンドよりも、シュールな結末をドラマは選んだようです。
 郷田が15年の時効を待った理由が弱いかなとも思いますが、それでも地元関西テレビ50周年記念ドラマという事もあり(笑)、けっこうハマれるミステリードラマだったと思います。音楽も気に入りましたので、サントラ買っちゃおうかな(^^ゞ
(訂正)
 合田→郷田でしたね、訂正済みですが失礼しました〜o(_ _*)o