んでライアーゲームを見直しているわけだが

 この手のゲーム性を持ったドラマというのは、日本ではあまり見かけないというか、私の記憶の中にはあまり覚えがありません。クイズやトリックといった謎を解いて事件を解決しようとかいうように、物語を進めるための1要素としてなら見かけると思いますが、純粋に(と言い切れるか分かりませんが)ゲームをメインテーマにするというのはちょっと珍しいですし、その点からまず魅力がありました。私の中では「フードファイター」なんかが同じようなテーマの取り上げ方なのではないかと思っています。海外では珍しくないテーマだと思いますし、私の好きな映画で「ゴッドギャンブラー」という香港の映画や、同じ題材を扱った香港のTVドラマ「勝者為王」というのも、人間模様を織り交ぜながらもメインはいかに相手をだましてゲームに勝つか、というのを楽しむエンターテイメントです。その手のテーマは私結構好きなんです(^^ゞ
 ネタバレ覚悟で感想を言えば、ライアーゲームに関してはゲームの進め方にはご都合主義な所(最終話で簡単に偽造カード発行したり)もあったりして、各所に(´・∀・`)オイオイというところもありましたが、かなり楽しんでみていました。コミック版とTVドラマ版とでひとまずの結末は異なるということで、TV版の結末については、私としては勝手に点数を付ければ80点くらいかなと思います。ゲームの展開にしてもエンディングにしても、もっとどろどろしていてもいいというか、これまでゲームを通じて見せ付けられてきた人間の醜い部分をより見せ付けてくれてもよかったかなと。決勝戦まで行われて勝者が決まったときにならともかく、正直まだたかだか3回戦までしか終わってないのに、ハセガワがラストで「救われた」なんていうのは、いくら病気にむしばまれているとはいえあっさり考え方変えすぎだろうと思いますね。また密輸ゲームの展開でも、最後のフクナガの行動を秋山が読めなかったというのもチト納得がいかないですね。ヨコヤと会っていた時間もありますから、彼の行動を秋山が見逃してしまって何も策が無かったというのは出来すぎかなと。おそらくドラマならではの「みんなで幸せになる」というナオの主張とそれを通した効果をより際立たせるための、あるいはフクナガという人間の心の変化を描くため、またあれだけクールダークなヨコヤが最後にはフクナガみたいな小物にさえ簡単に騙されダメダメさを確実のものとしようとするための、作り手の演出ではないかと思われるのですが、こうした事象にも代表されるように、変な言い方をすれば「最後は妙にきれいにまとめましたね」という感想です。もしも現段階で続編の存在がはっきりしていれば、もっとラストの描き方も変わっていたと思います、あいまいに新たなライアーゲーム参加者が現れるという見せ方ではなく、ナオや秋山に対して差し迫るような演出で終わらせると、より緊迫感や続編への期待感も視聴者に与えられたかなと。
 フジテレビのドラマは、最近まではそういうきれいにまとめるという流れが多かったかなと思います(もちろん全部だとは思っていません)。そうした中でも例えば「わたしたちの教科書」は、まれに見る切り口で食い込んで描かれているので面白いですが、こちらは基本的に基づく原作がないので製作者サイドのオリジナリティーをストーリーに乗せやすいだろうと思います。反してライアーゲームは原作が存在しているので、どうしても(ほぼ)原作通りに進めた10話までと、オリジナルの11話とが比較対象になってしまい、今回に関しては辛く言えばやはり原作の雰囲気どおりにはまとめ切れなかったのではないかと思います。ただし、比較を考慮せずドラマ版オリジナルとして見れば、これはこれで十分楽しめるものだったろうと思いますので、私としてはなかなかよかったかなと思います。
 ドラマ版での魅力はストーリーだけでなく、俳優陣の起用〜活躍も外せないでしょう。今回の秋山役の松田翔太はなかなかの当たり役だったと思いますし、戸田恵梨香(しし座!)も適役だったと思います。フクナガも好演技でしたし、個人的にはヨコヤは秋山に次いで魅力的なキャラクターです。本当にイヤなヤツでした(笑)が、あれだけイヤな役を痛快に演じられる技量に感嘆します。続編があるとすれば、ぜひメインキャストに加えて再登場を期待します、もちろん改心などすっかり忘れたイヤなキャラで(笑)
 最後に、戸田恵梨香も捨てがたいが、私はやっぱり2回戦の岩佐真悠子に、サングラスを取りながら「マヌケね」と言われたいぞ…(*´Д`) いやいやエリーに白い目で見られるのもきっとたまらんはずだ(*゚∀゚)=3ハァハァ!!